竹酢液の材料となる竹に殺菌効果があることは、昔から良く知られています。
例えば、竹の皮でおにぎりを包んだり、竹の筒を水筒代わりにしていたのは、竹の殺菌作用を利用していたからです。
竹酢液は、この竹の殺菌効果を活かし水虫などの治療にも効果があります。
また、足の臭いを解消する方法として、この液を使う人もいます。
では、竹酢液とは、どういったものなのでしょう。
もともとは、竹炭を作る過程でできた副産物でした。
しかし、竹エキスの濃縮液ともいえるこの液は、多方面で利用できることがわかり、液そのものへの関心が高まっています。
質の良い竹酢液は、タールなどの余分な成分が少なければ少ないほど良い品質です。
余分なものを含んでいない分、見た目は、透き通った茶色をしています。
ちょうど、紅茶の色をイメージしてもらうといいでしょう。
色が黒っぽいものや、油分のようなものが容器などに付着しているものは、発がん性物質でもあるタールの量が多いため、良質なものとは言えません。
人体で使用する場合は、分離するか蒸留することによりタール分を取り除いて使います。
竹酢液というくらいなので、主な成分は、酢酸です。
その他にもフェノール類やアルコール類など200種類以上の成分が含まれています。
この液は、これらの成分の相乗効果によって、抗酸化作用や抗菌作用などの効果をもたらしてくれます。
酢酸には、皮膚の角質を柔らかくしたり、引き締めたりする効果があり、アルコール類には、殺菌・消毒といった効果があります。
そのため、水虫の治療などにも効果がみられるのです。
竹酢液に含まれるフェノール類には、殺菌や消臭効果があり、アンモニアや硫黄化合物といった嫌な臭いのもととなる成分を分解してくれます。
気になる足の臭いもこれで抑えられます。
水虫の治療に竹酢液を使う方法としては、お風呂のお湯に小さなコップ半分くらいの原液を加え、入浴します。
これを半年ほど続けると、殺菌効果があらわれ、水虫が改善されます。
水虫治療で、より殺菌効果を期待したいのであれば、たらいなどに竹酢液を入れ、靴下を履いたまま足を浸し、靴下全体に液を染み込ませ、3時間以上そのままにしておきます。
その後、石鹸でしっかり洗い流し、よく乾燥させます。
この時、原液を使うと、爪の色が変色してしまうので、蒸留竹酢液を使うとよいでしょう。
手軽な方法では、薄めた液を霧吹きなどの容器にいれて患部に散布するのも効果的です。
また、別の利用法として、冷蔵庫や下駄箱、トイレといった場所の抗菌消臭に使ったり、虫よけなどにも使われています。
竹酢液の作り方と使い方
水虫の治療に使用する
原液か、約10倍に薄めたものを使います。
作った液に患部を浸す、あるいはスプレーなどで患部に散布することで、抗菌作用が水虫菌に作用します。
お風呂で使用する
200リットルのお湯に対して、約10~50ccの竹酢液をいれます。
ミネラル成分の影響で、血行が良くなり、湯冷めしにくくなります。
化粧水として使用する
竹酢液を100ccの精製水で約20~500倍に薄め、化粧水を作ります。
皮膚の新陳代謝を活性化し、肌を弱酸性に保ちます。
ただし、保存期間が短いため、2週間で使いきれるくらいの分量にしておきましょう。
虫さされ、火傷、日焼けなどに使用する
軽い虫刺されの場合は、竹酢液を約10倍ほどに薄め、患部に塗ります。
この液のもつ殺菌効果と抗ヒスタミン効果で、かゆみなどの症状を和らげます。
消臭用として使用する
生ごみなどの消臭には、竹酢液を30~100倍に薄めて使用します。
竹酢液の主な成分でもある酢酸が、発酵臭を抑制するので嫌な臭いが抑えられます。
冷蔵庫や下駄箱といった臭いの気になるところにも使えるので便利です。
園芸用に使用する
竹酢液を30~50倍に薄め葉や土に散布します。
影響を及ぼす害虫や病害菌から植物を守り、植物の成長を助ける土の中の微生物を繁殖させる効果があります。